センセイと一緒【完】
「……っ、ううっ……」
浜田さんの言葉が胸に痛い。
どうすればいいのかわからない。
鈴菜は混乱したままぐいと目元をぬぐい、憔悴した顔でトイレを出た。
と、その時。
「……鈴?」
聞きなれた、アルトの声。
思わず顔を上げた鈴菜の目に、ジャージ姿の和泉が飛び込んできた。
ラケットを片手にしているところを見ると、どうやら今日はテニス部らしい。
和泉は鈴菜の顔を見、眉根を寄せた。
「どうしたの、鈴?」
「……和泉……」
「泣いてるの?」
和泉は目を見開き、鈴菜の顔をじっと見つめる。