センセイと一緒【完】
5分後。
話を聞き終わった和泉は、はぁとため息をついた。
「なるほど、ね」
「……和泉……」
「鈴は笠原が好きで、でもあたしのファンだと思われてるから笠原ファンの怒りを買っている。そういうことだね?」
端的に言うとそういうことだ。
こくりと頷いた鈴菜に、和泉は肩をすくめて言う。
「一番いいのは、笠原に洗いざらい全部ぶちまけることだと思うけど?」
「……え?」
「笠原がどんな反応するかはわからないけどね。でも……」
和泉の言葉に、鈴菜はふるふると首を振った。
その表情に和泉が目を丸くする。
「和泉、……それはダメ」
「なんで?」
「笠原君のファンがこんなことしてるって知ったら、笠原君が……」
「笠原が傷つくって? あのねぇ鈴、あいつは……」
「とにかくだめっ!」