甘い××の、その後に。 love you,baby☆

*こっそりハグ



☆こっそりハグ
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――4月中旬。



大学の合格と入学祝いをしてくれるっていうことで。


あたしとおかーさんが到着したのは……何年ぶりかのハル兄宅。



「いらっしゃい! 眞緒ちゃん!」



元気に出迎えてくれたのは、ハル兄ママの杏子(キョウコ)おばさん。



「お久しぶりです、おばさんっ」


「眞緒ちゃんったら、すっかり大きくなっちゃって! あ、万里子(マリコ)も久しぶり~!」



万里子っていうのは、あたしのおかーさんの名前。



「何年ぶりだろ~? ずいぶん会ってない気がするけど」


「でも、こうやって顔を合わせると一気に戻るよね~、あの頃に」


「だね~」



玄関先で少女に戻ってしまったふたりの隙間から、家の中をチラチラと盗み見するあたし。



だって。


だってだって今日は……


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