気がつけば愛でした



え?兄弟…?

兄弟って……………?

え?



「えぇっ!?」

「ん!?…あれ!?静奈ちゃん!?」



振り返った五十嵐暁人社長が静奈の姿に驚く。



「えっ!?静奈ちゃん居たの!?」

「は、はい…。あの…今のって…」



静奈は恐る恐る聞いた。社長はあちゃーという顔をし、高柳は無言でそんな社長を睨みつける。



「兄弟って…?」

「あ~、いや、うん…」


困る社長に高柳はため息をついた。



「とりあえず、座らね?」



促されてリビングのソファーに座る。
静奈の向かいには社長と高柳。
高柳は一息ついて口を開いた。



「聞いた通り、俺と社長は兄弟なんだよ。」

「え、本当に…?」



意外とアッサリとしたカミングアウトに静奈は戸惑うばかりだ。

静奈は社長を見るが、社長も頷いている。

冗談でもなさそうな表情だ。
じゃぁ、本当に…?



「ごめんな、律。まさか静奈ちゃんが居るなんて思わなかったから」



社長が申し訳なさそうに言った。高柳は呆れた表情。



「いいですよ。それにコイツは人に話したりしないし。」



当然かのようにそう言う高柳になんだか嬉しく思いながらも、その戸惑いは大きい。


目の前の2人を思わず見比べてしまう。



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