気がつけば愛でした



「驚いたろ?」

「はい。かなり…」



結構な重大な話を聞いてしまい、少し俯く。
高柳はソファーに寄りかかりながら苦笑した。



「だよな。俺も初めて知った時もそんな感じだった」

「え?知らなかったんですか?」

「…高校三年の頃かな。母親が亡くなった時にあの2人が訪ねて来たんだ」



あの2人とは前社長と暁人社長のことだろう。

高柳が言うには、その時初めて父親と兄弟の存在を知ったという。



「俺の母親はいわゆる不倫相手ってヤツで。一応認知はされていたようだったけどね。俺は知らなかったし、父親に会ったのはその時と、父親が危篤ってなった時の二回だけだな。」



結構、重い内容をアッサリと語る。



「社長とは大学も同じなんですよね?」

「偶然ね。大学であの人が声をかけてきた時はかなり驚いたけど。あれからあんな感じで絡んでくるんだ。」



なんか想像つく。
思わず苦笑した。



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