気がつけば愛でした
「どういうことですか!?」
「それはこっちが聞きたい。間違いなく連絡はしたんだな?」
静奈は記憶を呼び起こす
確かに変更の連絡はした。しかし…
「専務は席を外されていたため、秘書の田山さんにお伝えしています。」
「専務も秘書も連絡が無かったと言っていたそうだ」
「そんはバカな…」
確実に連絡はしたはずだ。なのにクレームだなんて。こんな事ってあるのだろうか。
静奈が混乱をしていると貴子が口を開いた。
「でもおかしくないですか?クレームはこっちに直接入ってはいませんよね?」
「ちょうど営業の関谷部長が渡辺グループに行っていたらしい。そのとき専務とたまたま会って、その話になったらしい。」
「関谷部長?」
貴子は眉を潜めた。関谷は元営業の貴子の上司でもあった。
「関谷部長って専務と話すくらい親しいんですか?」
「あぁ、関谷部長とあそこの専務はゴルフ仲間らしいが…。兎に角、クレームが付いた以上相手側に確認の連絡をしなければならないな。」
「あの、高杉さん…私…」
静奈は沈んだ声で高杉を見た。
「君が連絡をしたと言うならそうなんだろう。相手側の通達ミスかもしれない。俺は相手側に連絡するから、君は関谷部長に挨拶して来なさい。関谷部長が上手くやりきってくれたらしいから。」
「はい…」