気がつけば愛でした
「ちょっとお話が…」
そう言って静奈をチラッと見る。
席を外してほしいということだろう。静奈は小さく頷き、頭を下げて部屋を出て行った。
自然と重いため息が出る
「大丈夫か?橘。」
高杉秘書が心配して声をかけてくれた。
先輩の優さに思わず泣きたくなったが、それをグッと堪える。
「大丈夫です。高杉さん、担当変更の件すみません。」
「あぁ、それは別に構わないから。疲れたろ。今日はもう帰って休んだほうがいいよ。」
高杉秘書に促されて静奈は素直に秘書室を後にした。
一気に疲れが出て、エレベーターに寄りかかる。
色んなことが起きて、気持ちが疲れたのだ。
なんだか泣きたい気分だった。