気がつけば愛でした
カラン。
机の上に2つ目の空の缶ビールが転がる。
「もう…ない…」
静奈はぼんやりと呟いた
恋に傷つきやけ酒なんて、しかも1人で。とガックリうなだれる。
でも飲まなきゃやってられない。
考えてしまう。
今頃、2人は何をしてるんだろう。
ご飯食べたら?その後は?
考えたくないことばかりが頭をよぎる。
「も…やだな…」
机にうつ伏せて呟く。
すると机の上の携帯が鳴りだした。
うるさい…。
静奈はうつ伏せたまま手を伸ばし、携帯を切る。
誰かと話したい気分ではない。
しかし電話は諦めることなく再びすぐにかかってきた。
何よ、もう。
仕方なく鳴り続ける電話をとる。
「…はい…」
『すげぇ暗いんだけど』
電話越しに聞こえるその声に一瞬、息が止まる。
…え…なんで?