気がつけば愛でした



求めれば傷付くって思うけど、やっぱり求めたくなる。

この声に、声だけでも安心する。



こんなにも好きだと自覚する。



「た…高柳さん…あたし…◇*※□★」

『え?え?何て?お前呂律まわってないぞ。』



涙と酒のせいで言葉が上手く伝わらない。


もどかしくて余計に泣けてくる。



『泣き上戸か?ったく。お前今どこ?』

「家…」

『15分で行く。待ってろ』

「へ?ちょっ…」



一方的に電話は切れ、静奈は唖然とする。


一方的に待ってろって電話切るなんて、なんて俺様。


15分?

待ってろ?



「くるってこと…?」



完全に酔っぱらっている静奈はそれを理解するのに15分かかっていた。






< 153 / 348 >

この作品をシェア

pagetop