気がつけば愛でした
求めれば傷付くって思うけど、やっぱり求めたくなる。
この声に、声だけでも安心する。
こんなにも好きだと自覚する。
「た…高柳さん…あたし…◇*※□★」
『え?え?何て?お前呂律まわってないぞ。』
涙と酒のせいで言葉が上手く伝わらない。
もどかしくて余計に泣けてくる。
『泣き上戸か?ったく。お前今どこ?』
「家…」
『15分で行く。待ってろ』
「へ?ちょっ…」
一方的に電話は切れ、静奈は唖然とする。
一方的に待ってろって電話切るなんて、なんて俺様。
15分?
待ってろ?
「くるってこと…?」
完全に酔っぱらっている静奈はそれを理解するのに15分かかっていた。