気がつけば愛でした
静奈は床に手を付き、ガックリとうなだれた。
何を隠そう、私は高柳律が苦手なのだ。
同じ会社でも我が社はそこそこ社員数がいる。高柳律とは部署も違うし、仕事で一緒になることまずはない。
まぁ、たまにエレベーターや社食で顔を見ることはあったが…。
「会わないよう避けていたのよね…」
高柳は私のことなんて知らないだろうな。いえ…覚えていないはずよ。
3年前のことなんて……
ガンッ!
「何してんの。そこ邪魔」
後ろのドアが勢い良く開き、ドアの前にいた静奈は直撃を受けた。