気がつけば愛でした
「来客よ。お茶お願い」
「来客ですか?」
「そう。社長が呼んだみたい。」
そう言われて急いで用意し、社長室に持って行く。
来客の予定なんて聞いていなかった。急なことだったのだろうか。
「失礼します」
静奈は一礼して顔をあげた。
しかしその来客を見て、思わずお盆を落としそうになる。
「あら?あなたは…」
「友香さん…?」
社長室のソファーには社長と高柳の他に、友香が居たのである。
来客って、友香さんのこと?
「知り合いですか?」
「はい。高柳と偶然再会した時に一緒だったんです。…橘さん、よね?」
「は、はい。あ、お茶をどうぞ」
動揺を隠せなかった。
なぜ友香が居るのか気にはなったが、早くここから離れたい気持ちが強かった。