気がつけば愛でした



「これから高柳と仕事をする機会が増えると思うの。よろしくね」

「え?あ、はい。」



仕事をする機会が増える?

友香は確かKグループの社員だ。

静奈の疑問に社長が気がついた。



「彼女はKグループ社長の姪なんだ。今Kグループはちょっと派閥があってね。鮫島のこともあるし。彼女がウチの担当営業をすることになったんだ」
「そうなんですか…」



静奈はそう言って微笑むしか出来なかった。

静奈の立場から仕事に関してあれこれ言えないし聞けない。

ドアの前で一礼する。

高柳を見ることは出来なかった。



「大丈夫?顔色悪いよ」


貴子が席についた静奈に声をかける。


静奈は大丈夫ですと首を振った。


本当は大丈夫なんかじゃないけど。

なんで友香さんが担当になるのか…。


2人で会うことだって増えるだろう。


適いそうにないよ。



静奈は泣きたくなった









< 172 / 348 >

この作品をシェア

pagetop