気がつけば愛でした
「ねぇ?律。」
友香が高柳を見上げる。
立ち止まった友香を振り返る。
途端に友香が高柳に抱きついてきた。
「おいっ…」
離そうと手を肩にかけるが余計にしがみつく。
「ねぇ、やっぱりもう一度やり直さない?」
「…友香。それは…」
「私、後悔してるのよ。あの時あなたと別れたこと。ねぇ、勝手だってわかってるけど…もう一度…」
「友香。気持ちは嬉しいけど、俺は…」
「おじ様からもあなたとやり直したら、と言われているわ」
友香の一言に高柳は肩に置いた手を止める。
「意味…わかるわよね?Kグループ社長の姪と五十嵐社長の弟。その2人が今後結婚したら。」
「…汚い手使うなよ」
「汚くてもいい!それくらい本気なの!」
高柳は権力に頼る友香を冷めた眼で見下ろす。
本当、友香は変わらない