気がつけば愛でした



高柳は握りしめる携帯から響くコール音を虚しく聞いていた。


やっぱりでない。


昼間から合間を見て電話をするが静奈は一度も出ることはなかった。

初めは寝ているのかとも思ったがさすがに変だ。

たぶん…



「避けられてる…?」



しかし…なぜ…。


高柳が一人眉を潜めていると後ろから声をかけられた。



「よぉ、高柳」

「お疲れ様です。関谷部長」



振り返るとそこには帰り際の関谷部長がいた。



「どうした、そんなとこに突っ立って。」

「あ、いえ…。もうお帰りですか。」

「あぁ…。そうだ、お前これから少し付き合えよ」



ジェスチャーでクィと飲みのサインを送ってくる。

何か聞けるかもしれない


「ぜひ」



高柳は携帯をポケットにしまって関谷部長と歩き出した。




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