気がつけば愛でした
「何かお力添えになるようなことがございましたら仰って下さい。」
「ありがとう。そちらも今大変なんだろう?」
「えぇ、まぁ…」
高柳は言葉を濁す。
社長はついに関谷部長を呼び出すことを決めていた。
しかし、まだ決定的な証拠が掴めていない。
社長自身、なぜ関谷部長が、と思っているから余計にだ。
「そちらの会社の事だから私からは何も出来ないが…、友香に最後に会ってやってくれ。あいつならいいヒントをくれるかも知れない。」
「友香が…?あいつが何か証拠を持っていると?」
驚きを隠せないまま社長に尋ねると軽く笑った。
「君への気持ちは本物なんだ。だから役に立ちたいと調べたらしい。」
Kグループ社長にお礼を告げ、会社を出る。
真っ先に友香に電話をした。