気がつけば愛でした
「大丈夫じゃなさそうだな。…うち来るか?」
あんな事があった後だから聞きにくかったが、震える静奈を1人には出来なかった。
しかし意外にも静奈は素直に頷いたのだ。
「迷惑かけて…すみません。でも…今は…今だけは…」
か細い声で呟いた後、ギュッと高柳のシャツを掴み、胸に顔を寄せる。
「わかった。もう大丈夫だからな。何も心配ないから。」
高柳は静奈に優しく声をかけ、タクシーに乗り込んでいった。