気がつけば愛でした
「後で友香さんにお礼を…」
「あぁ~…俺が後で電話しとくから大丈夫だよ」
高柳は自分から連絡すると言った。
それだけでズキっとして、静奈は黙ってしまった。
そんな静奈を高柳は覗き込んだ。
「どうした?疲れた?」
「あ、はい…」
疲れてはいなかったが胸が苦しかった。
「ベッド使っていいから横になりな。」
「高柳さんは?」
「ん?俺はまだやることあるし、こっちで寝るから。」
ニッコリ笑ってテーブルのパソコンを見る。
気を遣ってくれているんだな…。
そんな高柳に静奈は控えめに言った。
「あの…私ここに居て大丈夫なんでしょうか?」
「ん?何で?」
不思議そうに首を傾げる。
静奈はここに自分がいることを友香が気にしないか気になったのだ。
しかし高柳はそんなことに気がつかないようだ。