気がつけば愛でした
高柳がシャワーを浴びてリビングに戻ると携帯が点滅していた。
社長から電話があったようだ。
高柳はベランダに出て、社長にかけ直す。待っていたのか社長は直ぐに電話に出た。
「高柳です。すみません、出れなくて。」
『あぁ、いいよ。静奈ちゃんの様子は?』
「部屋で寝てます。上村の誘いには確かに乗ったと話していました。何か嫌なことがあったそうです。」
たぶん、誘いには乗ったが自分のしていることに気がつき、怖くなったのではないだろうか。
『そうか。まぁ、大事がなくて良かった。』
本当にそうだ。
あの時、関谷部長がホテルの関係者と繋がりがあり、連絡していてくれた。
それがなければ部屋の鍵はもらえなかっただろう。