気がつけば愛でした
愛して下さい
「友香とは結婚しない。だから泣くな」
高柳は静奈の濡れた頬にキスを落とす。
そのまま軽く唇にキスをした。
「なんで…?」
「ん?」
「なんでそうやってキスするんですか?」
友香と結婚するつもりがないことはわかった。
なのに何故高柳はこうやってキスしたり優しくするのだろう?
だって―――………
「好きとは違うって…」
「え?」
「私のこと好きとは違うって言ってたじゃないですか」
「何それ?」
高柳はキョトンとした表情で静奈を見ている。
「友香さんに言ってたの聞いちゃったんです…。私のこと好きか聞いた友香さんに…、好きとは違うって…」
話していて声が震えてくる。涙声になってしまう。