気がつけば愛でした



コロン



手のひらに落とされた“ソレ”をマジマジと見つめた。



「これって…」

「うちの合い鍵。あげる。もしこれたら家にいて?」

「い、行く!待ってる!」



顔を赤くして、飛び上がりそうなくらい喜ぶ。



「うん。じゃぁな」



高柳は静奈の頭をクシャクシャとしてエレベーターに乗って行った。


静奈の手のひらには鍵が収まっている。



“あげる”



嬉しくて嬉しくて、それをぎゅうっと抱きしめた。






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