気がつけば愛でした
――……
貰った鍵をゆっくり回して部屋に入る。
主はまだ不在なようで、部屋は静まり返り真っ暗だ。
静奈は高柳が帰る前に、食事とお風呂の準備をしておくことにした。
高柳は好き嫌いはほとんどないため、バランスのよいものを一通りそろえて作る。
そして、ちょうど料理が作り終わったころに高柳から電話があった。
「もしもし!律?」
『あぁ。今マンションの下に着いた。居るんだろ?』
「うん。あのね、ご飯作ったから一緒に食べよう?」
『マジで!?凄い嬉しい』
高柳が嬉しそうな声を耳元で聞き、飛び上がりたくなるほど静奈は嬉しくなった。