気がつけば愛でした





「ちゃんと送ってもらえた?」

「…」

「静奈?」

「…起きたら高柳さんちにいました…」



“でも何もなかったですよ!?なかったはず!たぶん…”と頭を思わず抱えながら、素直にそう白状する。
貴子は「へぇ」と呟いた。



「え?驚かないんですか?」

「いや、驚いてるよ。」
「そうですか?」



貴子を見る限り驚いている様子には見えなかったけれど。
むしろなんとなく予想でもしていたのではないだろうか。

そう思ってしまうくらいだった。



「最悪ですよ…なんで高柳さんなんですか…」

「営業課にいたときの後輩だから。」

「他にもいたでしょう!?」

「いたけど、静奈には高柳かなって。私のカンってやつ?」

「なんですか、それは!」



静奈の沈んだ声に貴子は目を丸くする。



< 28 / 348 >

この作品をシェア

pagetop