気がつけば愛でした
「ちゃんと送ってもらえた?」
「…」
「静奈?」
「…起きたら高柳さんちにいました…」
“でも何もなかったですよ!?なかったはず!たぶん…”と頭を思わず抱えながら、素直にそう白状する。
貴子は「へぇ」と呟いた。
「え?驚かないんですか?」
「いや、驚いてるよ。」
「そうですか?」
貴子を見る限り驚いている様子には見えなかったけれど。
むしろなんとなく予想でもしていたのではないだろうか。
そう思ってしまうくらいだった。
「最悪ですよ…なんで高柳さんなんですか…」
「営業課にいたときの後輩だから。」
「他にもいたでしょう!?」
「いたけど、静奈には高柳かなって。私のカンってやつ?」
「なんですか、それは!」
静奈の沈んだ声に貴子は目を丸くする。