気がつけば愛でした
「何?嫌なの!?」
「嫌です!」
「何で?他の女子社員が聞いたら羨ましがるわよ。あの高柳よ!?社内でも有名な高柳よ!?」
「有名だろうがイケメンだろうが私は苦手なんです!」
「どうして?」
どうしてって…。
静奈は一瞬黙った。
本音を言えば、高柳のルックスは嫌いではなかった。スラッとした身長にサラサラの黒髪。甘いマスクの顔立ちにキレイな二重と鼻筋。
女子社員なら誰もが一度はトキメクだろう。
かく言う静奈も今朝のあの高柳にちょっとときめいたのは事実だ。
しかし…静奈が高柳を苦手なのには理由があった。
きっともう高柳は覚えてないだろうけど…。