気がつけば愛でした



「律は、“一生営業でいい”と社長にずっと言っていました。律があの会社に入ったのも、父親が唯一くれはマンションという財産へのお礼なんです。社長になろうなんて思うはずがない!」



静奈は目に涙が溜まってくるのに気がついたが止められそうになかった。


「橘さん、泣かないで。全て知っていると言ったでしょう?高柳さんのことも全て調べたのよ。」
「ならなぜ…あんなことを…」



あんなキツいことを言ったのだろう。

高柳のことを全て知っていたならなぜあんな酷いことを…。



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