気がつけば愛でした
「俺さ、初めてエレベーターで静奈に会った時は、友香と別れたばっかりで。前にも言ったと思うけど、あれは八つ当たりが大きかった。」
「うん」
後ろからポツリポツリと話し出す高柳に、静奈は頷いて先を促す。
どうしたんだろう、急に。
「あの時は初対面なのにキツいこと言ったなって実は気にしてた。」
「律が!?」
思わずそう言うと、後ろから不機嫌そうな声で「俺だって反省くらいするって」と言った。
その言い方がなんだか可愛くて、小さく笑ってしまう。