気がつけば愛でした


からかわれたせいだ。こんな奴にドキドキするなんて有り得ない。



「本当に何もしてないですよね!?」

「俺はね。」

「は?」



俺はねって?

静奈は高柳と距離を保ちながらも首を傾げた。



「教えてやるよ。昨日、ベロベロに酔っ払ったお前の介抱を諏訪さんに頼まれた。」

「貴子先輩?」

「そう。で、タクシーで送ろうとしてもお前は寝ちゃって起きないし、放置するわけにもいかないから仕方なく連れて帰ってきた来たんだよ。」



冷ややかな目線で静奈を見る。口では淡々と語るが、その目は大変だったのだと言っているのがわかった。


文句も言えず黙ったまま話を聞く。



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