気がつけば愛でした
昨日とギャップがあり過ぎたのだ。
昨日、静奈は甘えるように高柳にしがみついて寝ていた。
高柳としては、酔った女を抱く趣味はなかったが、それでも男としてはそんな状況で熟睡など出来るはずもない。
なのに目が覚めれば、怯えた小動物のように高柳を避けようとする。
どちらかといえば、被害者は高柳だというのに。
そんな静奈を苛めたくなったのは事実だ。
だから携帯もわざわざ取りに来させた。
高柳はソッと唇に触れる
「まぁ、これくらいはお礼してもらってもいいだろ。」
高柳はそう苦笑した。