気がつけば愛でした


また溜め息をつかれた…。

そう思いながら、静奈はソロソロと向かいに座る男性を見た。


ジャケットは着てないものの、すでにスーツ姿の彼は長い足をキレイに組んでいる。

オシャレなローテーブルに置かれたコーヒーをキレイな手で持ち上げ、その整った顔立ちまで持っていく。


どうってことはない、普通の動作。しかし、格好いい人はその動作までもが格好いいものだ。


そう思わせるこの人は、やはり何度見ても、知っている顔で。


我が社の女子社員の憧れでもあった。



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