気がつけば愛でした



あんな冷たくて偉そうな奴に憧れる人の気が知れなかった。


しかも高柳は静奈を覚えていないようで、社内でたまたま会っても目が合うこともない。



しかしそれは静奈にとってラッキーだった。

新入社員の心を傷つけた男となんて関わりたくない。

秘書課へ異動した後は、めったに顔を見ることはなく安堵したものだ。


苦手意識を持った今、彼に対するそれは3年たっても消えることはなかったのだった。






なのに…なのに…。











< 55 / 348 >

この作品をシェア

pagetop