気がつけば愛でした



なんで目の前かなぁ~もう!



静奈は逃げ出したい気分だった。
上座には社長、その右手に高杉、向かいに貴子、高杉の隣に静奈と座っていたため前が空いていたのだ。

仕方ないとはいえ…、高柳をまともになんて見れない。

当の高柳はシレッと何事もなかったかのように普通に食事をしている。

静奈を気にもしていないようだった。
その態度が余計に腹ただしく感じる。


アンタのせいでこっちは不愉快な思いしてるのに。

そう言ってやりたかったか、場所が場所。

静奈は高柳を無視すると決めて黙々と食事をすることにした。



「あれ?アンタまたちょっと痩せた?」



貴子がお茶を飲みながら言った。



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