気がつけば愛でした



「静奈ちゃん、今からご飯行かない?再会したことを祝して。ね、そうしようよ。」

「え?あ、ちょっと、上村さん!?」



手を握ったまま強引に営業課のフロアで降ろされた。



「俺あとちょっとで終わるから待っててよ。」



そうニッコリ笑う。

当の静奈はその強引さに戸惑っていた。

何なの、この人。

そう思って手を離そうとしたが、それはしっかり握りしめられていた。
しかも静奈の様子を気にも止めずに廊下を抜け、営業課の前まで連れてくる。



「待ってて。」

「あ、ちょっと、上村さん!」



静奈は困って呼び止める 。
するとそんな声に気がついた人が声をかけてきた


「何してんの?」



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