気がつけば愛でした
「…あ………」
唇を離され、小さく声が漏れる。
肩で息をし、高柳を掴みながらもなんとか見上げるとクスッと笑われた。
「何?誘ってんの?」
「なっ!違っ…!」
真っ赤になって声を荒げた静奈に高柳は可笑しそうに笑っている。
「わかってるよ。…声が出るほど気持ちよかった?」
「なっ!バ…バカなこといわないで!」
「抵抗しなかったくせに」
余裕の笑顔で濡れた静奈の唇を指で拭う。
その色っぽい仕草に呼吸が止まりそうになる。
「な、何なのよ。ふざけないで!」
静奈はグイッと高柳を押す。
距離が出来たことで呼吸もゆっくり出来るようになった。
二度もキスされるなんて
静奈は高柳を睨み付け、手の甲で唇を拭う。