気がつけば愛でした



「うわ、傷つくなぁ、それ。」



全く傷付いていなさそうな口調で静奈を見て笑う

そんな高柳に言いたいことは山ほどあったが、静奈はキス直前の言葉をハッと思い出した。



「そういえば、さっき…3年前って…」

「何が?」



静奈の呟きに惚けた表情で首を傾げる。



「惚けないで下さい!覚えているんですか!?」

「覚えてるって?」



高柳は微笑を浮かべる。はっきり答えるつもりはなさそうだった。

でも、あんなこと言うってことは3年前のことを覚えているってことだ。

高柳は3年前に静奈と会ったことを覚えているのだ。



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