気がつけば愛でした



そしてフッとエレベーターの中が沈黙になる。

とたんに静奈はさっきのキスを思い出してしまった。


社長のせいで忘れてたけど、そういえばさっきキスされたんだった!


そう思うと、この2人きりの空間をやけに意識してしまう。

それに3年前のことも…。


キスしたことを問い詰めるべきか、3年前のことを問い詰めるべきか…。

静奈があれこれ悩んでいると、エレベーターは一階に着き、扉が開く。


とりあえずこの空間から降りようと一歩踏み出した。


が、その行く手を大きな手が遮る。



「えっ!?な、なんですか!?」



さっきキスのこともあり、ビクッと身構える。

しかし高柳はロビーの方を見ていた。



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