気がつけば愛でした



「俺のこと嫌いなんだっけ?勝手にキスして、3年前のことはぐらかすような男だもんな?」

「な…、やっぱり覚えてるじゃないですか!」



静奈がエレベーターで意識してドキマギしていたのに気がついていたような口調だった。

ピッと車を開けながら、赤くなって抗議する静奈を可笑しそうに見つめてくる。


なんて意地悪なんだ!


ムゥとした表情で高柳を睨む。

車に寄りかかりながら、そんな静奈をからかうような目で見てくる。



「覚えてたからってどうだっていうの?俺が嫌いなんだろ?」

「っ…」

「それに泣いてる新人に言ったあのセリフは別に間違っちゃいないだろ」
「それは…」



それは…わかっていた。
間違っちゃいない。
ただ、言い方に問題があるのだ。



「だからってあんなに冷たく言わなくったって…」

「あぁ~、あん時はいろいろあったから…。ちょっとした八つ当たりだな。」

「はぁ!?」



八つ当たりだぁ!?



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