気がつけば愛でした
近くなりました
―――――――――――――…………
「――…、以上が本日の予定です。よろしいでしょうか?社長?」
スケジュール帳から顔を上げた静奈は、じーっとこちらを見ている社長に尋ねた。
「聞いていました?」
「うん…。静奈ちゃんは律と付き合っているの?」
「は?」
机に肘を付き、真面目な顔で聞いてくる社長に思考が一瞬止まった。
人が大事な仕事の話をしているのに…。
思わずそう怒りそうになったが、グッとこらえた。
文句を言った所で社長は気にしないだろう。それに、一度言われた予定は頭に入っているだろうし。
思わず出そうになった溜め息を我慢する。
「付き合っていません!この前もそう言ったじゃないですか。」
キッパリ告げると、社長は残念そうに「えぇ~」と言った。
何を期待しているんだ、この人は。
「お似合いだと思うんだけどなぁ」
そう言われてドキッとする。
お似合いに見えるのだろうか?
…いや、あのルックスに似合う人なんてそうはいないだろう。