恋涙
この年の夏は、一生忘れられない夏。



こうやって書こうと思って思い出すだけで涙が出るくらい、彼を愛しいと思った夏だった。



こんな夏が、来年もあって、十年後も、二十年後もあると思ってた。




ずっと二人一緒だと思ってた。




何があっても、あの笑顔が私の隣にあると思ってた。





二人の手が離れることなんて絶対ないと思ってた。




そんな夢が、この年で終わろうとしているなんて、私はもちろん、結稀だって思っていなかった。







でも、幸せは一つの事件から始まった。



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