恋涙
「じゃあ、そろそろ帰ろうか。」
柚也兄ちゃんの声がけでみんなの集中力が切れた。
「三角屋でかき氷食べて行こー!」
咲が提案する。
みんな賛成すると、散らばっていた宿題を片付け始めた。
「俺、トイレ行ってくる。」
結稀が立ち上がると、咲と樹里、柚也兄ちゃんもトイレに行ってしまった。
残ったのは私と秋人。
秋人は既に片付けていてぼけーっとしてる。
私も片付けを始めると、秋人が口を開いた。
「なぁ。」
「何?」
「お前、結稀兄ちゃんのこと好きなの?」
その質問にちょっと驚いた。
私は秋人の顔を見ないで教科書を片付けながら答えた。
「好きじゃなかったら三年も付き合ってないでしょ。」
「ふーん。」
それだけ言うと、秋人は黙った。