恋涙

大切な人?

秋人は私の言葉で状況をすぐに理解した。


「分からないのか?」



いつも冷静な秋人も動揺を隠し切れていない。




私は下を向いて首を横に振った。




「本当に分からない・・・大切な人からもらったお守りなんでしょう?誰なの、私の大切な人って・・・。」




思い出せなくてイライラする。



泣きだす私に秋人が言った一言。




「先生からもらったやつじゃないのか・・・?」




先生・・・?




「先生って、誰・・・?」



「え・・・佐藤先生だよ。」



秋人は名前を教えてくれたけど私はまるで記憶がない。



そんな先生知らない。




関わったこともない。





知らないよ。



全然知らない。
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