恋涙
咲と樹里と別れ、私は家に帰った。
まだ夕方前。
こんなに明るいうちに家に帰ってくるのは珍しい。
家の中で一番涼しい長廊下に寝そべって庭を見た。
時間がないのに、喧嘩してる場合じゃないんだよ・・・
そんなことを考えてた。
そんなとき、ケータイが鳴った。
着信は・・・秋人だ。
出ようか出ないか迷ったけど、一言いってやろうかと思い電話をとった。
「もしもし。」
「もしもし・・俺だけど。」
「何。」
「今日はごめん。」
「本当に悪いと思ってる?」
「うん。」
「じゃあ私の言うことひとつ聞いて。」
「わかった。なんでも聞くよ。」
「二言はないね?」
「もちろん。」
そして私はとんでもないことを言った。
「樹里と付き合ってあげて。」と・・・。