恋涙
その言葉に秋人は「わかった。」と言った。
電話を切ると、もしかしたら私はとんでもないことを言ったんじゃないかと思った。
だけど、樹里のことが好きだから返事したのかなとも思った。
とにかく、私は結稀に謝らなくちゃ。
そう思って結稀の家に行った。
結稀の家の前まで行ってチャイムを押したが、誰も出てくる様子はない。
玄関を開けようとすると、カギがかかってなかった。
小さいころから勝手に出入りしてるから、いつもの調子で「おじゃましまーす。」とだけ言って入っていった。
いつ入ってもでっかいうちだ。
普通の家の二倍くらいの敷地。
リビングに入ると、ソファーで結稀が寝ていた。
目の下が赤い。
泣いてたのかな?
私は眠ってる結稀の隣にしゃがみこんだ。
「ごめんね。」
起こさないように、そっと言葉をかけた。