恋涙
結稀の頭をそっとなでて帰ろうとしたときだった。
「俺も、ごめん。」
後ろを振り向くと、結稀がそのままの体勢で目を開けていた。
私はもういちどソファーで寝てる結稀の隣に座った。
「起きてたの。」
「起きちゃったの。」
「じゃあ、もう一度寝て?」
「は?」
何を言っているか分からないという様子の結稀は体を起こそうとしたが、私はそれを止めた。
「起きちゃダメ。もう一回寝て。」
そう言って私は右手で結稀の目を覆った。
結稀は抵抗する様子もなくて、じっとしてた。
それを確認して、私は身を乗り出して結稀にキスをした。
覆っていた右手をよけると、結稀は驚いた顔をして私を見た。
そして今度は結稀が私に顔を近付けた。