恋涙
七章
思い出
2008年3月。
「思い出すといろんなことがあったね。」
咲が物思いにふけったように病室の窓を見る。
「ほんとだね。」
私もベッドの上から病室の外を眺めた。
結稀がいなくなって五年か・・・。
そんなことを考えていると、夕食を取りにいってた秋人が戻ってきた。
「あ、帰ってきた。このキス魔!」
咲の冷やかしに秋人は何のことか分からず「はぁ?」と言いながら私の前に食事を置く。
私はありがとうと言う代わりに、「秋がキスなんかするから私、結稀と喧嘩したんだよ。」と笑ってみせた。
秋人はやっと何を言ってるか理解したらしく、「あぁ。」と少しだけ笑った。
「もう六年も前のことだろ。」
秋人は開き直る。
「人の唇奪っておいて、よくそんなことが言えるよねー。」
咲がありえないという顔をして秋人を見る。
「あのとき俺だって絢香から樹里と付き合えって言われてかなり困ったんだって。」
「うそー。平然と『分かった。』なんて言ってたじゃない。」
私が笑うと秋人は「本当だって。」と、真顔になった。
「思い出すといろんなことがあったね。」
咲が物思いにふけったように病室の窓を見る。
「ほんとだね。」
私もベッドの上から病室の外を眺めた。
結稀がいなくなって五年か・・・。
そんなことを考えていると、夕食を取りにいってた秋人が戻ってきた。
「あ、帰ってきた。このキス魔!」
咲の冷やかしに秋人は何のことか分からず「はぁ?」と言いながら私の前に食事を置く。
私はありがとうと言う代わりに、「秋がキスなんかするから私、結稀と喧嘩したんだよ。」と笑ってみせた。
秋人はやっと何を言ってるか理解したらしく、「あぁ。」と少しだけ笑った。
「もう六年も前のことだろ。」
秋人は開き直る。
「人の唇奪っておいて、よくそんなことが言えるよねー。」
咲がありえないという顔をして秋人を見る。
「あのとき俺だって絢香から樹里と付き合えって言われてかなり困ったんだって。」
「うそー。平然と『分かった。』なんて言ってたじゃない。」
私が笑うと秋人は「本当だって。」と、真顔になった。