恋涙
八月の終わり、新学期も始まり宮城の生活に馴染んでいた。
始業式の朝、制服に着替えていると妹が「おねーちゃんケータイ鳴ってるよ!」と、ケータイを私に渡した。
メールの相手は結稀。
内容を確認すると、八月の最後の土曜日に宮城に来るというものだった。
「えっ・・八月最後の土曜って今週じゃない。」
すごく驚いた。
つい一週間ほど前に別れたばかりなのに。
すぐに行くって言っても限度ってものがあるでしょ。
そう思いながらも嬉しかった。
宮城は八月の終わりから学校なんだけど、茨城は八月いっぱいは夏休みだった。
しかも、結稀が宮城に来るのは初めて。
ケータイを片手に私はぴょんぴょん飛び跳ねてた。
そしてもちろん、結稀が宮城に来たのはこれが最初で最後だった。