恋涙

八月の終わり、新学期も始まり宮城の生活に馴染んでいた。



始業式の朝、制服に着替えていると妹が「おねーちゃんケータイ鳴ってるよ!」と、ケータイを私に渡した。



メールの相手は結稀。


内容を確認すると、八月の最後の土曜日に宮城に来るというものだった。




「えっ・・八月最後の土曜って今週じゃない。」



すごく驚いた。



つい一週間ほど前に別れたばかりなのに。





すぐに行くって言っても限度ってものがあるでしょ。



そう思いながらも嬉しかった。




宮城は八月の終わりから学校なんだけど、茨城は八月いっぱいは夏休みだった。



しかも、結稀が宮城に来るのは初めて。




ケータイを片手に私はぴょんぴょん飛び跳ねてた。





そしてもちろん、結稀が宮城に来たのはこれが最初で最後だった。
< 122 / 366 >

この作品をシェア

pagetop