恋涙
部屋で一人、私はその日記を開いた。
高校三年生の初日から、卒業式まで一日も休むことなくその日記は書かれていた。
自分が今の大学をどうやって受けたのか。
友達とどのように過ごしていたのか。
担任は誰だったのか。
自分の知らないことを、自分が書いてる。
他人が書いたものじゃなくて、自分が書いたもの。
その日記を見て、自分の知らないことがたくさんわかった。
それは決していいことだけじゃなかった。
見ないほうがよかったものもあった。
そして信じられないことも分かった。
結稀がいなくなってから、私は恋をしていた。
私には好きな人がいた。
それが「佐藤先生だった。」