恋涙

海の水は当たり前だけど冷たかった。



あの日みたいに、気持よくない。



鋭い冷たさが足を麻痺させる。





そんな時、急に大きな波が私を襲った。




私は後ろに手をついて、仰向けに倒れた。




そこで見えたもの。




それは





「青空」だった。









「私が落ち込んでるときって、必ず青空なの。」




「俺がいなくなったら空を見て。」








そんな六年前の会話を思い出した。





青空だ。




なんでもっと早く気付かなかったんだろう。



私は一人じゃない。




空はずっと、ずっと私の上にあったのに。





私は馬鹿だ・・・





そう思うとまた涙が出た。


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