恋涙

私の意外な返事に秋人もすこし戸惑っていた。



きっと、私が冗談で「うん。」って言ったとは秋人も思ってなかったから。





びっくりする秋人のネクタイを掴んで、私は秋人を自分のところに引き寄せてキスをした。




あの図書館のときとは違う。



背伸びをしないと秋人の唇まで届かない。





でも、きっとそのキスで秋人は私が自分のことを好きだとは思わなかったと思う。




秋人は私の気持ちを見抜いてた。






だから秋人は何も言わなかった。






秋人がオーストリアに帰って、私たちは付き合うようになった。




でも、それは長く続かなかった。



< 139 / 366 >

この作品をシェア

pagetop