恋涙
八章

五人の未来


2008年、6月。



私は朝からドタバタしていた。



この日は樹里の結婚式。



秋人ももう一度日本に帰ってきて、一緒に大阪まで行くことになった。




私は飛行機が苦手。



まぁ、とにかく高いところがあんまり得意じゃないんだ。




離陸すると、キレイな青空が見えた。




「樹里も結婚するんだよなぁ。」



お祝いの袋を持ったか、忘れ物がないか飛行機に乗ってからもバタバタしている私に秋人は穏やかな声で話し出す。




「なに、元カノが結婚するから悔しいわけ?」



私は化粧を直しながら笑う。




「いや、そうじゃなくて。考えてみろよ。幼なじみで結婚してないの俺達だけだぞ。」




「秋も私も大学がある学生なのよ。結婚なんて当分先ね。」




「そりゃそうだろうな。だけど、小さい頃はみんなこんなに早く結婚するとは思わなかっただろ?」





「確かに結稀がいなくなって、その一年後に咲と柚也兄ちゃんが子供できて結婚でしょ。そして今度は樹里まで19歳で結婚だもんね。しかも16歳年上の人と。」




「俺はどっちかって言うと咲が15で妊娠したことの方が驚いたけど。」




「確かにね。」




「ホント、人生なんてわからないもんだな。」
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