恋涙
五人の大切な幼なじみたちへ
今日は遠いところから私たちの結婚式に来ていただいてありがとうございます。
人一倍おてんばだった私がこの歳で結婚するなんてきっと誰も思わなかったよね。
柚也兄ちゃん、私が落ち込んでるといつも背中を押してくれたよね。私は長女で、親が離婚したときもしっかりしなきゃいけなかった。
どうしていいかわからなかったとき、「そのままでいいんだよ。」って言ってくれたのすごくうれしかった。
私も柚也兄ちゃんと咲のような夫婦になるね。
秋人、多分あなたには一番迷惑をかけたね。ただそばにいてくれるだけで安心できる存在だったよ。これからの人生、自分の気持ちに嘘はついたらだめだよ。
咲、16歳で妊娠して結婚して、全部私の先輩だね。咲は本当に気配りができる子で、咲を見てたら元気になった。
私もいつかお母さんになったら、いっぱい子育ての話をしようね。
絢香、たくさん辛い思いをしてきたから、6人の中で一番強くなっていったよね。絢香はクールで、だけど他人のことを考えられる優しい子だった。
ごめんね、本当に絢香にはたくさんのごめんねを言わなきゃいけない。
絶対、絶対幸せになってね。
最後に結稀くん。
あなたは私の初恋の人でした。でも、手の届かない存在だった。
白血病という難病と最後まで戦った結稀くんだから、きっと生きていたら絢香を幸せにして、夢だった小学校の先生になってるんだろうね。
私の恋の理想は結稀くんと絢香だったんだよ。
二人みたいにいつでも手を取り合って、泣いたり笑いあったり・・。
もし躓いたら結稀くんに相談に行くからね。
私は今日、彼と結婚します。
6人で過ごしたことを、あんな風に何に対しても一生懸命になれる気持ちを忘れずに、これからの結婚生活を送っていきたいと思います。
本当に、本当にありがとう。
樹里より