恋涙

冬休みも数えるくらい近くなったころから結稀とあまり連絡が取れなくなった。



メールをしても返ってこない。


電話をかけても出ない。




実家に電話をかけても「ちょっと出かけてる。」と言われるだけだった。





冬休みに入る三日前、ケータイが鳴った。



それは結稀からの電話だった。



「もしもし、俺。」



「俺、じゃないよ!メールしても電話しても返ってこないし。前に私が連絡しなくて怒ったことあったじゃない。」



「ごめん。」



結稀は冷静沈着だった。



「今さら何の用?」



「・・・冬休み、こっち来んな。忙しいんだ、いろいろ。」




この発言に私はブチ切れた。



「何それ。何かあったなら話してくれてもいいじゃない。もう知らない!」



私は電話を切った。





そしてこの年の冬休みに私が茨城に行くことはなかった。








< 149 / 366 >

この作品をシェア

pagetop